デジタル遺品とは?遺族が注意すべき5つのポイントや対処法を解説
「遺品整理していたらスマホやパソコンが見つかったけどデータはどうすれば良いの?」「スマホやパソコンに詳しくないから対処法がわからない」とお困りの方へ。
最近では、故人が使っていたスマホやパソコンに残っているデータが問題となっています。何も知らずにスマホやパソコンを処理すると、後々になってトラブルになる可能性が高いです。
しかし、初めてデジタル遺品と向き合う人にとって、何から対処していけば良いのかわからないでしょう。
そこでこの記事では、デジタル遺品で注意すべき5つのポイントや対処法を解説していきます。デジタル遺品の処理に困っている人はぜひ確認してみてください。
デジタル遺品とは?
デジタル遺品とは、スマホやパソコンなどのデジタル機器に残っている情報のことです。電子データは複数ありますが、その中でも特に以下の3種類が問題となる傾向にあります。
- ・デジタル機器
- ・ネット上の情報
- ・ネット口座
デジタル機器とは、スマホやパソコン、USBなどのことです。デジタル機器の場合は基本的に何かする必要はありません。
ただ、故人のスマホやパソコンを処分する際は、前もって情報を消しておくことが大切です。端末を初期化せずに処分すると、個人情報の漏洩につながるので気を付けましょう。
次に、ネット上の情報とは、ブログやSNS、クラウドサービスに残っているデータのことです。これらの情報も基本的に放っておいても問題ありません。しかし、ネットの情報が悪用されるリスクもあるので、削除しておくのがおすすめです。
最後に、ネット口座はネット上にある口座のことを指します。銀行口座以外に証券口座やFX口座も含まれるので注意が必要です。故人がFXや仮想通貨取引していた場合には対処する必要があります。
このように、デジタル遺品にはさまざまなものがあります。「スマホを捨てれば終わり」というわけではないので、一つひとつデータを削除していくことがデジタル遺品整理では重要です。
デジタル遺品で注意すべき5つのポイント
デジタル遺品は適切に処分することがトラブルを防止するために大切ですが、実行するにあたって注意すべきポイントがあります。
ではデジタル遺品を処理するにあたって、何に注意すべきなのか5つのポイントを解説していきます。デジタル遺品の整理で起こりがちなトラブル事例も合わせて紹介するのでよく確認しておいてください。
必ず遺族と相談してから対処を行う
デジタル遺品に限定した話ではありませんが、故人の遺品を整理する際は必ず遺族と相談してから実行しましょう。遺族と相談せずに遺品整理を進めるとトラブルに発展する可能性もあります。
たとえば、故人がネット口座にお金を預けていたとして、遺品整理する際に見つけたとしましょう。この場合、誰にも相談せずひとりで持ち逃げすると、後々家族からとがめられる可能性があります。
デジタル遺品の処理で家族仲が悪化するのは避けたいところです。スムーズに遺品整理するためにも、遺族と相談しながら処理していきましょう。
「デジタル機器はよくわからないから任せる」と言われても、どのようなデータが入っていたのか報告することが大切です。
中身を確認せずに廃棄・売却しない
デジタル遺品整理において、もっとも避けるべきなのが中身を確認せず捨てることです。
スマホやパソコンのようなデジタル遺品には、以下のような個人情報が入っています。
- 名前
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- クレジットカード情報
- 口座情報
上記のような個人情報が漏れることによって、残された家族たちの情報が漏れるリスクもあります。
デジタル遺品の扱いに疎いからといって何もせず捨てるのはやめておきましょう。特に個人情報は確実に消去してから、本体を処分することが大切です。
どうしてもデジタル遺品の取扱がわからない場合は、専門業者に依頼するのもひとつの手段です。信頼できる業者であれば個人情報を漏らすことなく、適切に処理してくれます。
SNSアカウントも確認する
デジタル遺品の中でも見逃しやすいのが、スマホやパソコンに存在する以下のアカウントです。
- TikTok
- YouTube
最近ではSNSを利用する人も多いですが、使わないSNSを放置していると乗っ取られる可能性があります。アカウントが乗っ取られると炎上して、その影響が家族にまで及ぶことも考えられます。
SNSアカウントは残しておいても特にメリットがないので、デジタル遺品整理の際に消去しておきましょう。
ただ、SNSには故人の写真が残っているケースもあります。アカウントを削除する前に、貴重な写真が掲載されていないかどうか確認しておきましょう。
ちなみにSNSアカウントの情報は、多くの人が処分してほしいと考えています。「MMD研究所が行った調査」によると、SNSやブログなどのアカウント情報を消したい人が37.8%もいます。
SNSアカウントは多くの人にとって死後に残したくないデータです。故人の指定がない限り処分した方が良いでしょう。
なるべく早く対処する|放置すると料金トラブルになることも
デジタル遺品のやっかいなところは、放置すると知らないところで月額料金が発生することです。たとえば、以下のサービスでは月額料金や年会費が発生します。
- 動画のサブスク
- 本や漫画のサブスク
- 家具や家電のサブスク
- 証券
- クレジットカード
- 銀行の口座維持費用
ネットの月額サービス「サブスクリプション」は、基本的に自動的に解約されない仕組みです。登録者が解約手続きしない限り料金が発生し続けるので、早く対応しないとどんどんお金が無駄になります。
このようにデジタル遺品の中には、放置し続けると料金が発生するタイプもあります。サービスを利用しないのにお金を支払うのはもったいないので、不要な場合は一刻も早く処理しましょう。
自分でパスワードを解こうとしない
デジタル遺品を整理する際に大きな壁となるのがパスワードです。たいていのサービスでは、解約する際にパスワードの入力を求められます。つまり、パスワードを知らなければ解約作業を進められません。
パスワードはサービス内にある「パスワードをお忘れの方はこちら」というページから解明することもできます。
ただ、どうしても自分でパスワードを解明できないときは、無理やり解こうとしないことが大切です。
ネットサービスの中には一定回数パスワードを間違えるとロックされることがあります。ロックされると解約できないので、推測でパスワードを当てに行くのは控えましょう。
スマホやパソコンのパスワードがわからない場合は、専門業者に依頼するのがベストです。業者に依頼するとパスワード解析ソフトを使って、安全にパスワードを特定してくれます。
デジタル遺品の対処法
デジタル遺品にはさまざまなタイプがあるので、ひとつずつ着実に処理していくことが大切です。
ではどのようにしてデジタル遺品を処分していけば良いのか5つのポイントに分けて解説していきます。以下の通りに対処していけば、安全にスマホやパソコンを処分できます。
まずは遺族と相談する|勝手に対処するとトラブルの原因に
デジタル遺品を処理するにあたって、まずは遺族と相談しましょう。遺族へ相談せず勝手に進めるとトラブルに発展する可能性が高いです。
相談する際は主に以下のポイントについて話し合いましょう。
- 故人がどのデジタル遺品を使っていたか
- 誰がスマホやパソコンのデジタル遺品を処理するか
- どのデジタル遺品を残して処分するか
- ネット口座がある場合は誰が相続するか
- データを処分したデジタル遺品をどうするか
特に金銭的な部分はトラブルに発展しやすいポイントです。デジタル遺品整理する前に、故人がお金を持っていたときにどうするのか決めておきましょう。
必要なデータに目を通す
故人のスマホやパソコンを操作する際は以下のデータに目を通しましょう。
- 遺影に必要な写真
- 仕事に必要なデータ
- 契約サービス
特に仕事用のデータや契約サービスは要チェックです。
故人が仕事をしている状態で亡くなった場合は、遺族が後処理することになります。その際に重要なデータを故人が保有していることもあるので、仕事相手に渡さなければいけません。
仕事用のデータは基本的にフォルダーやクラウドサービスに保存されているので確認してみてください。
また、デジタル遺品を整理するにあたって契約サービスも見ておきましょう。契約サービスの中には、毎月自動で料金が支払われることも多いです。解約しなければ支払うべきお金がどんどん増えていきます。
スマホやパソコンの契約サービスについては、故人のクレジットカード・口座情報を見ると発見しやすいです。毎月料金が支払われている項目がある場合は、そのサービス内容を確認して、必要があれば解約しておきましょう。
月額課金サービスや証券口座を解約する
解約すべき月額課金サービスや証券口座を見つけた場合は、ひとつずつ解約していきましょう。
解約方法はサービスによって異なりますが、基本的に公式サイトのマイページから手続きできます。マイページへログインするにあたってパスワードも必要となるので、わからない場合は業者に依頼してパスワードを特定してもらいましょう。
もし解約方法がわからない場合は、ネットで「○○(サービス名) 解約方法」と調べてみてください。ネット検索すれば、たいていのサービスの解約方法が解説されています。
また、サービスによってはタイミングが悪いと翌月分の料金を支払うこともあります。たとえば、「解約は更新日の1週間前とする」と書かれている場合は、すぐ解約できません。ほかにも、サービスによっては早期解約ペナルティとして違約金が発生することもあるので気を付けましょう。
必要なデータがない場合は端末の初期化をする
すべての情報を確認して、もうこれ以上必要なデータがないと判断した場合はスマホやパソコンを初期化しましょう。
初期化することで端末内にあるすべてのデータが削除されて、購入時の状態に戻ります。端末を初期化しておけば、情報が漏れたり悪用されたりすることもありません。
ただ、初期化すると完全にデータが消えるので注意が必要です。消えたデータは基本的に修復できないので、初期化する前はもう一度端末内の情報を見ておきましょう。
どうしても初期化が怖い場合は、クラウドサービスにバックアップしておくのもおすすめです。しばらく時間が経過して、そのデータが不要だと判明した際は、バックアップしたデータを削除すると良いでしょう。
ちなみにスマホやパソコンの初期化は「設定→システム(PCの場合は更新・セキュリティ)」から手続きできます。
対処が難しい場合は専門業者を利用する
自分でデジタル遺品を整理するのが難しい場合は業者に依頼するのもおすすめです。業者に遺品整理を依頼すると以下のメリットがあります。
- 確実にデジタル遺品を処理してくれる
- 必要な情報を抜き取ってくれる
- わからないパスワードを解明してくれる
- 信頼できる業者を選べば情報漏洩のリスクもない
- ほかの遺品整理もセットで依頼できる
デジタル遺品を業者に整理してもらうと、確実にデータを処分してもらえて、時間の節約になるメリットがあります。
遺品整理を確実に終えるためには、それなりのデジタルノウハウが必要になります。たとえば、サービスを解約するだけでも、ネット検索したり、アプリを使ったりしなければいけません。
ほかにも証券口座を解約する場合は、証券口座に関する知識もあった方が良いです。何も知らずに解約すると損したり、トラブルに発展したりします。
また、故人がパソコンを使っていた場合は、遺品整理する際にスマホとは別の知識も必要です。このようにデジタル遺品を整理するといっても知識が必要となります。
そんなデジタル遺品の整理に不安がある人は業者に依頼するのがおすすめです。業者ならプロが正しい知識をもって確実にデータを処理してくれます。
そのうえ、自分でデータ処理する必要もないので、ほかの遺品整理に時間を回すことも可能です。業者に頼むと時短にもなるので、葬式や遺品整理で疲れている人は業者に依頼してゆっくり休みましょう。
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伊藤忠グループが運営する「にこスマ」は、スマホ・タブレットの買取を行なっています。また、様々なスマホに関する役立つ情報も豊富に提供しています。
デジタル遺品に関してよくある質問
続いてデジタル遺品に関するよくある質問を紹介していきます。デジタル遺品を整理するにあたって重要なポイントもあるので、実行する前に確認しておいてください。
勝手にデータを閲覧しても法律違反になりませんか?
デジタル機器は相続財産対象物となるので、勝手にデータを見てはいけません。誰の許可も得ずにデータを見るとトラブルに発展する可能性があります。
ただ、本人の許可を得るのは不可能なので、勝手にデータを閲覧するしかないというのが現状です。そのため勝手にデータを閲覧するのは、法律的にグレーとなっています。
勝手にデータを見ても問題になりづらいですが、どうしても不安な場合は弁護士に相談しましょう。弁護士に相談すれば、トラブルを未然に防いでデータを閲覧できます。
トラブルを起こさないために生前にやるべきことはありますか?
生前にできるデジタル遺品の整理がこちらです。
- 契約しているサービスをまとめておく
- 契約中のサービスで使っているアカウント情報やログイン情報を残しておく
- 見られたくないデータは別フォルダーにまとめてロックしておく
- 自動削除ソフトを使う
- 不要なデータは生前に消しておく
デジタル遺品の整理で大きな問題となるのが「どのサービスに登録していて、パスワードは何を使っているのか」です。
事前に契約サービスやパスワードさえ把握できればスムーズに解約手続きできます。遺族が困らないためにも、契約サービスとログイン情報はまとめておきましょう。
また、遺族に知られたくないデータもあると思うので、事前にまとめておくのもおすすめです。
デジタル遺品に関するまとめ
デジタル遺品で注意すべきポイントや対処法を紹介してきました。
故人が生前に使っていたスマホやパソコンに残ったデータは、適切に処理しなければいけません。データを処理せず処分してしまうと、契約サービスの月額料金を支払ったり、情報が漏洩したりする可能性もあります。
確実かつスムーズにデジタル遺品を整理するためにも、以下のポイントを意識しましょう。
- 事前に遺族間で話し合っておく
- 必要なデータを確認する
- 月額サービスや証券口座を解約する
- 最後に端末を初期化する
もしデジタル遺品整理に不安を感じる人は業者に依頼するのもおすすめです。信頼できる業者に依頼すれば、確実にデータを削除してくれて、遺品整理にかかる時間も節約できます。
遺品整理業者のリアライフ香川は、高松市内の一般廃棄物収集運搬業の許可や古物商など必要な許認可を取得しています。遺品整理をはじめ、遺品供養やデジタル遺品整理にいたるまでさまざまなお困りごとを解決できるサービスを提供しています。遺品整理士の資格をもつ遺品整理のプロフェッショナルが買取りや特殊清掃までをワンストップで行い、故人との大切な思い出の品や遺品を、まごころを込めて整理します。
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