【完全版】デジタル遺品のパスワードが解除できない時の対処法4選を解説
「デジタル遺品のパスワード解除は勝手にやっても良いの？」
「どうやってPW解除をすれば良いの？」
故人の遺品整理をする上で、スマホやパソコンなどの扱い方は難しいですよね。
そこで本記事では、「デジタル遺品のパスワードを解除する4つの方法」について紹介しています。
さらに、デジタル遺品のパスワード解除に関する問題点や注意点についても解説していますので疑問点が解消されるはずです。
デジタル遺品のパスワードを解除できない際の問題点
スマートフォンやパソコンには故人の様々な重要なデータが多数保存されており、これらにアクセスできないと、遺族は精神的、金銭的に被害を受けることがあります。
主な問題点には下記のようなものがあります。
- 写真データを取り出せない
- 故人の交友関係を把握できない
- 仕事のデータなどを取り出せない
写真データを取り出せない
パソコンやスマートフォンのロックが解除できずにアクセスできない場合、遺影にふさわしい写真が見つからないことがあります。
現在では写真を現像せず、データとしてパソコンやスマートフォンに保存している人が多いからです。
家族や友人の所有している写真の場合、故人一人の写真がなかったり、昔の写真しかなかったりして、遺影にふさわしい写真が見当たらないことがあります。
また家族で撮った写真を故人が管理していた場合は、大量の大切な思い出の写真にアクセスできないという、悲しい結果になってしまいます。
故人の交友関係を把握できない
故人の交友関係がわからず、訃報の連絡ができなくなってしまいます。
デジタルのアドレス帳を活用することが一般的な現在、書面で連絡先を確認することが難しくなってきています。年賀状や電話帳で把握する方法もありますが、利用者は大幅に減少しています。
故人からの連絡が突然途絶えて相手を悲しませてしまったり、迷惑をかけてしまったりすることを防ぐためにも、デジタル遺品へのアクセスが必要です。
仕事のデータなどを取り出せない
故人が仕事で使用していたパソコンにアクセスできない場合、重要なデータが取り出せず、取引先や自社に損害を与えてしまう恐れがでてきます。
また、仕事の引継ぎにも支障をきたすこともあります。
故人亡き後も円滑に業務を続ける為に、仕事上のデジタルデータは是が非でも取り出す必要があります。
デジタル遺品のパスワードを解除する4つの方法
このようにデジタル遺品のパスワードがわからなくなってしまった時に、パスワードを解除する4つの方法を紹介します。
- パスワードのメモがないか確認する
- 【非推奨】予測して入力する
- 【非推奨】解析ソフトを利用する
- デジタル遺品整理業者に依頼する
パスワードのメモがないか確認する
まずは故人が生前どこかにパスワードをメモしていなかったか探すことをおすすめします。単純ですが効果的な方法です。
特に故人が年配であった場合は、パスワードをどこかにメモしていたというケースがよく見られます。
というのも、年配の方はデジタルに苦手意識を持っていることが多く、手書きでメモを残すことで安心感を得る方が多いからです。
例えば手帳や財布、携帯ケースについているポケットの中や、預金通帳のケースの中、あるいはポイントカードなどと一緒に保管している可能性もあります。
【非推奨】予測して入力する
次にパスワードを予測して入力してみるという方法があります。
故人や家族の誕生日、何かの記念日、電話番号、車のナンバープレートの番号などが想定されます。銀行のキャッシュカードの暗唱番号がわかっている場合は、同じ番号の可能性もあります。
しかしこの方法には注意が必要です。なぜなら間違ったパスワードを数回入力すると、機器が強制的に初期化されてしまう恐れがあるからです。
スマートフォンの画面ロックを解除するパスワードを入力できる回数はiPhone、Androidで異なります。
iPhoneのパスコード場合
- 5回連続で間違える→iPhoneの操作が1分間不可能になる。
- 1分経過→再びパスコードの入力が可能となるが、次に間違えると、今度は1分ではなくて15分間iPhoneが操作不能。
- 11回連続で間違える→iPhone単体でのロック解除は不可能になる。
さらに「設定」で「Face IDとパスコード」の「データ消去」をオンに設定していると、10回失敗した時点でiPhoneが初期化されてしまうので厳重な注意が必要です。
Androidの場合
Androidではパターンロック、パスワード、PINコード、指紋認証でのロック解除情報があり、また機種ごとに仕様が異なるので、該当機種の仕様を確認してから試みる必要があります。
【非推奨】解析ソフトを利用する
パスワード解析ソフトを利用するという方法もありますが、こちらはおすすめできません。
外国製のソフトであることが多く日本語の説明がないなど、使用が困難だからです。
また、安全性の確認も難しいため、知識のない方が利用するとかえって良くない方向に進んでしまう可能性もあります。
下記にいくつかのソフトを紹介しますが、使用される場合はご自身のご判断でご利用下さい。
Windows 10 用ソフト
- PassFab 4WinKey：windows パスワード解除 ツール
- Renee PassNow：忘れたWindowsパスワードをリセットするソフト
- iSeePassword Windows：Windowsのパスワードをリカバリーもしくは除去するソフト
iPhone用ソフト
- Aiseesoft iPhoneロック解除：パスコードなしにロックされたiPhoneのスクリーンパスコード、Apple IDを解除するソフト
- Wondershare Dr.Fone：iPhoneデータ復元ソフト
- iMyFone LockWiper：iOSロック解除ツール
Android用ソフト
- DroidKit：Androidデータの復元、画面ロックの解除、システムの修復ソフト
デジタル遺品整理業者に依頼する
このようにパスワードの解除は非常に難しくデータを失ってしまう危険性があるため、信頼できる業者に依頼するという方法があります。
パスワードの解析、解除やデータの取り出し、その後の機器の処分までプライバシーに配慮し慎重に作業してくれるので、安心して任せられます。
スマートフォンとパソコンのパスワード解除を業者に依頼する場合の費用相場です。
| 作業内容 | 費用 |
| パソコンのパスワード解除 | 18,000~35,000円 |
| スマホのパスワード解除 | 20,000~50,000円 |
パスワードには非常に強力なセキュリティーがかけられており、解除するのには大変困難な作業なため、費用には幅がでてきます。
また、その他のよく利用されるデジタル遺品に関するサービスの費用相場をご紹介します。
| 作業内容 | 費用 |
| 動画・写真・アドレス帳などの保存データの取り出し | 10,000~20,000円 |
| 機器内のデータから、オンライン取引や株取引、仮想通貨などの電子資産の有無を調査 | 18,000~20,000円 |
| FacebookなどのSNSデータを削除し退会処理や、有料サービスの解約手続き | 18,000~20,000円 |
| 起動しないパソコンを使用できる状態に復旧 | 15,000~20,000円 |
データが不要な場合は初期化の検討も
パスワードの解除は困難な上費用もかかるので、データが不要な場合は機器の初期化を検討するのも良いでしょう。
初期化すればデータはすべて削除されてしまいますが、引き続きその機器を使用できますし、不要な場合は中古市場で販売することも可能です。
パソコンやスマートフォンの初期化の方法を、種別ごとに説明いたします。
Andoroid
強制リセットする方法です。
- スマホの電源をオフにする。
- 電源と音量ボタンの同時押しでリカバリーモードを起動する。
- 音量ボタンで「wipe date/factory reset(工場の出荷状態に戻す)」を選び、電源ボタンを押してリカバリーを実行する。
- 終了後に「reboot system now(端末を再起動。リカバリーモードから戻る)」を選択して再起動する。
リカバリーモードを起動するには、いくつかのボタンを同時に押す必要がありますが、押すボタンの組み合わせは機種により異なるので、使用機種の説明書での確認が必要です。
iPhone
最も簡単な方法はパスワードを11回連続して間違えて入力することです。
「設定」で「Face IDとパスコード」の「データ消去」をオンに設定していると、10回失敗した時点で初期化されます。
この設定がされていない場合は IPhone をリカバリーモードで下記の方法で消去します。
- iTunes がインストールされているコンピューターを用意する。
- IPhone の電源を切る。（機種によって方法は異なります ）
- iPhone のモデルに応じた正しいボタンを長押ししながら、すぐに iPhone をコンピューターに接続する。
- iPhone にリカバリーモードの画面が表示されるまでボタンを押し続け、表示されたら指を離す。
- iPhone を復元する。
iPhone が接続されているコンピューターの Finder や iTunes で、iPhone を選択する。「復元」か「アップデート」の選択肢が表示されたら、「復元」を選択する。コンピューターが iPhone のソフトウェアをダウンロードし、復元プロセスが開始される。
Windows
Windows 10の初期化方法は以下の通りです。
- パソコンを起動して、右下の電源ボタンを押す。
- shiftキーを押しながら、「再起動」をクリックする。
- 「トラブルシューティング」をクリックする。
- 「このPCを初期状態に戻す」をクリックする。
- 「すべて削除する」をクリックする。
- 「ドライブを完全にクリーンアップする」をクリックする。
- 「初期状態に戻す」をクリックする。
Mac
Macの初期化方法は以下の通りです。
- 利用中のMac が Apple シリコンを搭載しているかどうかを確認の上、以下の該当する手順にそって、macOS 復旧から起動する。
Apple シリコン：Mac の電源を入れて、そのまま起動オプションのウィンドウが表示されるまで電源ボタンを押し続ける。「オプション」というラベルの付いたギアマークのアイコンを選択し、「続ける」をクリックする。
Intel プロセッサ：Mac の電源を入れて、すぐに「command (⌘) + R」キーを長押しし、Apple ロゴやその他の画像が表示されるまで押し続ける。 - 管理者ユーザの選択画面が表示されたら、メニューバーの「復旧アシスタント」メニューから「Mac を消去」を選択する。
- 「Mac を消去」ウィンドウで、「Mac を消去」をクリックする。
- Mac が再起動し、画面に疑問符が点滅表示されたら、電源ボタンを数秒、Mac の電源が切れるまで長押しする。
- macOS 復旧から再び起動して、macOS を再インストールする。
よくある質問
ロックがかかってしまったけど大丈夫ですか？
Windows 10の場合はロックがかかった後、一定時間操作ができなくなるという設定があり、初期設定では60分に設定されています。その時間経過後は再度入力することが可能です。
Android のスマートフォンは11回間違えると、30秒制限がかかります。これ以降は、1回パターンの入力を間違えるたびに30秒の時間制限がかかりますが、何回でも入力できます。
iPhoneの場合は注意が必要です。ロックがかかったと同時に自動的に初期化されてしまう設定にしている場合、全データが削除されてしまいます。
この設定がなされていない場合はロックされた時点ではデータは残されたままですが、そのデータにアクセスすることができません。
キャリアショップに行けば解除してもらえますか？
キャリアショップでは、ロックを解除してもらうことはできません。機器の初期化はしてもらえますが、データは全て削除されてしまいます。
デジタル遺品のパスワード解除 まとめ
今回はデジタル遺品のパスワード解除方法について解説しました。パスワードの解除など自分で対処できないからと放置しておくと、思わぬトラブルに繋がる可能性もありますので注意が必要です。
ご自身での対処が不安な方は業者に依頼するようにしましょう。
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